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皮膚を乾燥させてないですか?

2022.08.06
  • #コラム

皮膚は乾燥させてはいけない、と良く言われませが、なぜそれが良くないのか。

乾燥からくる弊害を改めて見てみましょう。

 

【乾燥肌の原因】

皮膚の角質層の水分量が減少している状態を乾燥肌と言います。水分量が少なくなる原因は実は3つあります。

1.水分が元々少ない

2.水分を保持する成分が少ない。

3.水分を蒸発させないための皮脂が少ない。

乾燥肌だからといって水道水を顔につけても蒸発するだけで意味がないのです。水分が角質に留まってくれるような形でなければいけないですし、蒸発しにくくなるようにコーティングする必要があります。

【乾燥肌はバリア機能の低下を引き起こす】

角質に適切な水分量がある状態の皮膚を顕微鏡で見てみると、水成分と脂質成分が規則的に配列しています。これをラメラ構造といい、これがバリア構造となってくれます。この水成分と脂質成分はそれぞれ天然保湿因子(NMF)とセラミドと呼ばれます。

角質は外からの刺激を容易に入らせないようにする、最初の砦となっているのです。

反対に水分量がないとそのふたつの配列がなくなり亀裂が入った状態となります。干上がった池をイメージすると、池底の亀裂の入った土があるのが想像できるかと思います。その亀裂の隙間から外部のものが簡単に入っていけるのがわかりますね。

【乾燥肌を引き起こす日常生活の行動】

体質的に乾燥肌になりやすい人がいる反面、何気ないご自身の行動で乾燥肌を引き起こしている場合があります。どんな行動か挙げてみましょう。

空気の乾燥 … 当然、水分の蒸発率が上がります。

摩擦 … 表面の皮膚を落とし、ラメラ構造が破壊されます。

紫外線 … 蒸発を増やし、ラメラ構造も破壊します。

石鹸の使いすぎ … 皮脂を洗い流し、コーティングをなくします。

【乾燥肌が引き起こす弊害】

角質のバリア機能が弱くなるため外的刺激が入りやすくなります。そのため皮膚炎、アレルギー症状が出やすくなります。それにより痒みも出ることでしょう。その痒みを掻くことで擦過傷となります。また真皮の水分も蒸発しやすくなるのでハリのない皮膚になり、外的刺激によるコラーゲンへのダメージをきたしシワの原因になります。

【乾燥肌に対する対策】

まずはホームケアです。

1.水分を補う

化粧水を使う。

2.蒸発を防ぐ

コーティング目的に保湿クリームを使う。

※このふたつは乾燥に対する対処法として必ずしてください。外からの補充は即効性があります。これらの間に乳液や美容液を挟むのも良いでしょう。

よく化粧水にヒアルロン酸配合と書いてあるものがあります。そう書いてあっても実際皮膚の中にヒアルロン酸は入りません。では意味がないのかというとそんなこともありません。ヒアルロン酸には保水力があり、1gのヒアルロン酸は6リットルの水を保持してくれます。サラサラの化粧水よりはヒアルロン酸入りのとろみのある化粧水の方が蒸発するまで時間がかかります。という意味ではヒアルロン酸配合はとても良いものです。決して化粧水が真皮の中には入るということはありません。

3.食べ物で補う

セラミドを多く含んでいる食べ物があります。具体的にはこんにゃく芋、米、大豆、味噌、ごぼうなど和食でよく使われる食材です。

ただし食べ物だけで補えるほど、効率的に吸収されるわけではありません。例えばお米を1日に何十杯も食べることはできないですし、こんにゃくを毎日たくさん食べるわけにもいきません。努めて摂る、という程度にしておいて、化粧水など外から補う方が良いでしょう。

クリニックでできること

エレクトロポレーション

成長因子を導入することで皮膚の状態を整え、角質の保水効果を高めることができます。

表面から化粧水をつけるより、微電流の作用で皮膚内部まで浸透させることができ、その差は何十倍も変わるでしょう。

季節によって乾燥に気づく、という時点で肌はかなり乾燥していることでしょうから、そんな時にクリニックの治療で補うことを考えてみてください。

 

【まとめ】

角質は皮膚全体やその下の臓器を守る最初のバリア機能を担っています。乾燥によってこのバリア機能が崩れることによって様々な皮膚症状が出ますし、しわなどの老化を早める原因ともなります。乾燥肌に対する対策は日常生活の改善で可能です。普段の行動、化粧水やクリームをつける時にそれぞれの意味をぜひ思い出していただければと思います。